綴り

主に私の妄想置き場です。サボったらごめんなさい。

突然彼女から連絡が来た。

 

「私って必要?」

 

「必要だよ。」

 

風の音がする。

 

急いだ。流石に急いだ。

思いつくビルがあった。

彼女と秘密で入って、屋上で星を見たあのビル。

彼女は柵の外にいた。

 

「早かったね。」

 

「何してるの。びっくりするじゃんか。」

 

「びっくりさせたくて。」

 

「馬鹿じゃない。」

 

「ねぇ、私の事好き?」

 

「そりゃあ、もちろん。」

 

「幸せにしてくれる?」

 

「……努力する。」

 

彼女は少し笑って、鳥の翼みたいなワンピースをなびかせて飛んだ。

咄嗟に出した手はかすりもしなかった。